インディアン・ポーカー
上村松園とオディロン・ルドンと福永武彦と次長課長をこよなく愛するイチロクブログ
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師匠、廊下を走らないでください。
早いものでもう12月。
大人になると、月日が過ぎるのもあっという間です。

子供のころは1日がうんと長く感じたのになあ。

学校が終ってから、いったんおうちに帰ってランドセルをほうり投げて。
それからもういちど学校に戻って、校庭の陣地取りに情熱を燃やして。
男の子も女の子も、活発な子も大人しい子も、いつだってわけへだてなく平等に。
お空の色が真っ黒になるまで。
星がきらきらと光り輝く時間まで。
毎日泥だらけになりながら。
時には喧嘩をしたり仲直りをしたり。
そんなちいさな事件をくりかえしながら、なにかを学び、そしてまっすぐに歩んだ日々。

思い起こせばこの季節。
学校帰りにみんなで柿の実を食べるのが恒例行事でした。

私はやわらかい柿が好き。そしておともだちは硬い柿が好き。
あれをとって。これをとって。それじゃなくて、もっと右のほう。
わいわいがやがや。くりかえしくりかえし。
みんなのためにいっしょうけんめい肩車をしながら手を伸ばすおともだちに向かって。
すこしでも美味しい柿を手に入れたい私たちは、無理難題ばかりを押しつけるものだから。

けっきょくいつも柿取り役のおともだちが、じゃあ自分でとりなさいよと大声で怒鳴り散らすまで。
いいたい放題やりたい放題わがままをくりかえす私たち。どこまでも自分勝手な女の子たち。

それでも最後はきちんと仲直りをして。
みんなそれぞれ、ひとつずつたいせつな柿の実を手に入れて。
くちに含んだ柿の実の甘かったこと。
飲み下した柿の実のやわらかかったこと。
けれどもときどき渋柿にあたることがあって。
びっくりしてみんなで顔を見あわせて。案の定うえっとなって。

石榴や無花果。枇杷や桃。
どれもこれも、あのころは木に登って食べ放題。いたずらもやり放題。

ゲームなんて、いまほど種類はなかったし。
もちろんパソコンや携帯電話も手に入らない時代だったから。

それでも子供たちの遊び道具はいつだって。
いつだって世界中にあふれているのです。

やさしい風やいじわるな風。ふりそそぐ雨やふわふわ舞い降りる雪。
寝転がればたくさんのお星さまと、ときどき赤くふくれあがる、不思議な不思議なお月さま。
石ころや蜘蛛の巣だっておともだち。野良猫やすずめだっておともだち。

カマキリの赤ちゃんが、
生まれたときからカマキリの形をしていることに意外とびっくりしたり。感動したり。
キャベツ畑の青虫が、
きれいなきれいなモンシロチョウに生まれ変わるさまを見つめながらうっとりしたり。溜息をついたり。

カラスだっておともだちでした。狛犬さんだっておともだちでした。
妖怪もおばけも神様も。みんなみんな空想のなかではおともだちでした。仲間でした。

どれもこれも。
どれもこれもそれほど大昔の出来事ではないと思うんだけどなあ。
ここ数年で、世の中がいっぱいいっぱい移り変わっちゃったのかなあ。

もちろん悪いことばかりではなくて。
きっと。良いこともたくさんたくさん増えたはず。

だから慣れない手つきでパソコンと戦いながら。
慣れない手つきでネットの海を泳ぎながら。
ときどき息継ぎができなくなって。
ときどき喉の奥に水が入り込んで。
びっくりしてじたばたしているうちに。
そのまま溺れそうになることもしばしばあったりするけれども。

それでも。

入り口の鍵は、きちんと手にしております。手放さずに、きちんと手にしております。
いつかきっとこの鍵を、通りすがりのすべての方々に、勇気を出してそっとお渡しできる日が来ればいいなと。
いまはそんなふうに思っております。そんなふうに思うことを、もうしばらくのあいだだけお許しください。






ところでところで。
次長課長の井上聡さんが部長を務める「よしもとゲーム部」の後日談を知りたくなって。
先日とおなじような方法で、YAHOO!さんのエンターテイメント欄を拝見させていただきましたところ。

やっぱり記事になってましたあ!
しかも優勝されたご様子で。それになんだかとても楽しそうなご様子で。
そしてなによりこの先も。この先もまだまだ続きそうな予感がする「よしもとゲーム部」の部活動。
わーい。うれしいよう。






でもほんとうは。
ほんとうは一瞬だけ。もっと別のことに目が奪われてしまいました。

それは、「よしもとゲーム部」の記事のすぐ下に記載された、
「M−1グランプリ08準決勝進出者決定」という、とても短くて、とても厳かな一文。

M−1グランプリ。
第1回放送から、毎年欠かさず拝見させていただいておりますけれども。
今年はキングオブコントという、予想外の特別な体験を経たこともあって。
いつも以上にどきどきわくわく。きりきりじくじく。するようなしないような。

M−1グランプリ。
なによりも潔くて平等で。
そしてどこまでも純粋で残酷な「10年目」という境界線。

今年も個人的な感情から、応援させていただきたい漫才師さんがいらっしゃいます。

けれどもそれは毎年かならず、いろんな漫才師さんに対して共通に抱く感情でもあり。
さりとて彼らはほんのすこしだけ。
ほんのすこしだけ特別でもあり。愛おしくもあり。












どちらにせよ雲の上の方々に対して、視聴者ができることといえばただひとつ。ただひとつだけ。

戦う背中を見上げるのみ。ただ静かに見守るのみ。
ただそれだけなのです。ただそれだけなのであります。
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